鋸岳・甲斐駒ヶ岳

鋸岳(2685m)~甲斐駒ヶ岳(2967.5m)

1996年10月10日〜12日

南アルプス鋸岳へ

甲斐駒ケ岳縦走は、南アルプスでも数少ない薮、岩稜、岩壁、懸垂下降、ルンゼと変化に富んだバリエーション・コースとして人気がある。JR中央線富士見駅付近から西に一見して分かる岩稜がそれで、まるで恐竜の背中のようにギザギザと駒の絶頂につき上げている。特に大ギャップ付近はものすごい迫力でいやがうえにも登高意欲をそそられる。アプローチは釜無川源流、角兵衛沢、熊穴沢などがあるが、最も長くアルバイトは多いが静かで鋸岳の良さを充分味わえる釜無川~鋸岳~甲斐駒ケ岳~黒戸尾根を1996年に裾野麗峰ハイパインクラブの山行で歩いた。

富士川の水源

車利用の場合は2台で行き1台を竹宇駒ケ岳神社駐車場に置くのがベストだ。タクシー利用の場合はJR中央線富士見駅から国道52号線を経て釜無川林道を車止めゲートまで入る。ゲートから林道終点まで約12kmある。しかも登りなので荷物が多いと時間がかかるだろう。長いアプローチでようやく標高約1,300mの林道終点に立つ。ここから横岳峠まで指呼の間だが、釜無川源流を少し登った所に飯場跡がある。遅くなったらこの付近は良いテント場だ。次第に川幅が狭くなり1時間程で釜無川(富士川)水源に辿り着く。

富士川の水源は冷たくて美味しかった。海に出る迄この清浄さが保たれればいいのにね。ここからは稜線に向かって急登と薮漕ぎ。どちらも嫌なものだ。原生林の中をかき分けて突き進む。稜線に向かって直登せず、なるべくショートカットしようと薮を漕いで漕いで3時間、やっと尾根道にでる。しかしここからも急登は続く。この辺りから岩稜の山らしくなりアップダウンも激しくなる。

休憩

見晴らしの良い場所で休憩をとる。このあと自然な落石を目の前で見る。

野営地

目前に大きな第一高点がそびえる。三角点ピークを下ったコルからは厳しそうだ。しかしそのコルが今日の宿泊地、角兵衛沢のコルだ。かろうじてテント2張りの窮屈なガレ場である。

2日目

2日目。3時起床。今日は難所の鋸岳だから天候が悪いと非常に辛くなる。出発。第一高点への直登。両手両足を駆使して槙重に素早くよじ登る。ヘッドランプの明かりが頼りだ。登り切ると第一高点の頂では白んで来た。実に清々しい360度の大展望だ。

鋸岳第1高点


小ギャップ

やせた尾根を少し下ると深さ7m位の小ギャップがある。確保をとり順に降りる。小ギャップは東側は切り立った崖となっているので注意してコルに降りた。岩はそれ程脆くなく足場はしっかりしている。しかしこの辺りから赤褐色の岩はぼろぼろで瓦礫の山に巨岩が突き出ているようだ。

コルから一転して急登となる。かなり急な壁で積雪期は非常に嫌らしいだろう。登り切って次の岩の東側を巻くと鹿窓と言われる風穴が東西にあいている。次の難関である大ギャップを巻くルートはこの鹿窓を通るのだ。鹿窓の先は崩壊が進んでおり下降するにはかなり危険であるので戻って大ギャッブを下降する事となった。大ギャップの降り口には立木にクレモナロープが下がっている。下降用ロープは最下地点のコルまでは伸ぴていない。ロープで降り立つ場所は今降りてきた

場所がオーバーハングしており2~3人が立つのがやっと。岩は非常に脆い為、このオーバーハングに身を隠さねば危ない。確保用のザイルがこの下の安全なコルヘ届く事を確認し、最上部で確保しコルまで降りる。オーバーハング部からコルまでは岩が脆く落石が激しい。熊穴沢側にガラガラの沢を100m下り第二高点を巻いて草付を登ると第二高点に出る。眺望が素清らしい。それ程広くない山頂には錆びた剣が立っている。ここから仙丈岳へ登っている仲問に無線で呼びかける。仙丈隊もあと少しで山頂に着くという。ここでは十分時間をとり休憩し、仙丈隊の皆とエールを交換した。少し下るとテントが2つ張れるスペースがある。そして中ノ川乗越へ。

ここからの急登が非常に辛い。甲斐駒がとても遠くに見えた。三ッ頭を過ぎると山が花崗岩になり、白砂の稜線が美しい。六合石室で大休憩。石室は形よく削られた花崗岩のブロックが几帳面に積み上げられている立派な建物だ。甲斐駒山頂まであと2時間弱。奮起して頑張ろう。


白い砂の登りを歩いて行くと山頂に着く。山頂は白い砂に花崗岩と社があり、社は花崗岩のプロックで造られている。振り返ると遥か彼方に第一高点が凛と聳えている。感慨は計り知れないものだ。

雷鳥

羽毛が夏から冬へ変化しつつあった。

下り

後は下りである。黒戸尾根は急なハシゴ、鎖が至る所にあり、木で作られた古いハシゴ等は半ば腐っていて気をつける必要がある。途中には社や剣を建立した岩があり、古くから信仰の対象であった山であることを伺わせる。途中面白い形をした「ホエール・ロック」(鯨岩)が印象的。

七丈小屋

七丈小屋着。テントが4張程張られており賑やかだ。ここまで下ると水は豊富にある。ここでテント泊でもよいが、無人の五合目小屋まで降りてもよい。1時間程度で五合目小屋に着く。小屋の内部は箒と塵取りがある位であった。

3日目

白んでくると降りてきた山に朝日があたり山の形を浮きあげさせていた。下の方には雲がびっしり敷き詰められた雲海だ。鳳凰山のオベリスクのその向こうに富士山が見える。駒ケ岳神社、尾白渓谷駐車場までは3時間ほど。

駒ケ岳神社

駒ケ岳神社に着いた時は何とも嬉しく神社に感謝していた。

Photo: 裾野麗峰ハイパインクラブ

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