大無間山

大無間山(2329m)

2000年5月26日〜27日
井川湖畔の集落、田代から尾根づたいに小無間山~大無間山と登りました。 帰りは行きと逆コースです。

富士見峠からの大無間山

静岡市街から井川へ車を走らせます。途中の富士見峠から小無間山から大無間まで よく見えます。とても大きく見えました。

諏訪神社

上り口は田代の北のはずれにある諏訪神社にあります。 この鳥居の手前左に涌き水があります。ここで水を4リットル汲みました。 尾根道ですのでこの先に水場はないでしょうから。神社の鳥居をくぐって登っていきますと林道を横切ります。 林道から山への入口に登山計画書の投函ポストがあります。 昨年行方不明になった方のことが掲げられていました。 単独行とのこと。自分もちょっと心配になります。 なにしろ初めての山域なうえ単独行でした。

稜線への取りつき

最初は杉の植林の中を行きます。途中オレンジ色のツツジがきれいでした。 高圧送電線をくぐってしばらく歩くと尾根に取り付きます。 そして造林小屋の跡を左に見ながら尾根を登ります。 左に杉林、右に雑木林を見ながら歩きます。雑木の新緑が目にまぶしく気分がいいです。

しだいに左の谷から沢の音が聞こえてきます。ゴーゴーと大きな音で滝でもあるんだろか? と思わせます。 山側を右手にトラバースするころは水の音も聞こえなくなり、 よく見れば毛虫や蛇などがいました。 お互いにびっくりしたりして。

小無間小屋(P4)

急な登りを終えるとP4です。 これから小無間山までP3、P2、P1(小無間山)とピークを越えて行きます。 鋸歯と呼ばれるきついヵ所です。P4は三等三角点と小無間小屋のあるピークで、 小広い林間となっておりテントを張るにはよさそうです。 三角点の東側は開けていて展望がよかったので景色を楽しみながら昼食にしました。 鋸歯と小無間山がそびえたっています。登高意欲をそそるというよりげっそりしました。 小屋の内部は八畳くらいの広さで角の方に囲炉裏がありました。 埃っぽいですが、わりときれいで十分使用できます。 表札はりっぱな木製でした。


イワカガミ

ピークの周りは一面がイワカガミのお花畑です。 薄いピンクのや、薄い黄色いの、赤いのもありました。種類が違うのかな? 満開で実に見事でした。


P3へ

P4をおりてP3へ登ります。写真の右のがP3、その左の奥に見えるのが小無間山です。 P3への登り...。んぐぅ。きつい。でもがんばるぞ。 ピンク色のきれいなアカヤシオツツジがあちこちに見られます。 P3をおりてP2へ登ります。これはあっというまでした。

P2とP1のコル

P2を下ると狭いコルの辺りから北側に大きなガレが現れます。 それより恐ろしいのは目の前の小無間山。壁のようです。 さらにガレの脇を登るとこんどは濃い赤い色をしたイワカガミの群生がありました。 イワカガミの群生の左のルートを取りましょう。


コイワザクラ

その壁のような登り道の岩にコイワザクラが咲いていました。 よく見れば黒い岩に群生しています。垂直な岩にへばりついてピンクの花を咲かせています。 たくましいものです。これはきれいでした。


小無間山

小無間山までは300mくらいの急登が続きます。 あまりのつらさに途中でフテ寝してしまいました。 でも誰も通りませんし、鳥がからかうように鳴きながら通ってくだけです。 気を取り直して歩くと小無間山につきました。 林間の広場となっていて幕営にはちょうどいい所です。 さっそくテントを張って湯を沸かしご飯にしました。


苔むした稜線

山頂であまりのんびりと休んでもいられません。 荷物を整理して大無間へ出発。地形図を見るとこの先はそれほど急ではないようです。 しかし、シラビソの倒木が行く手をさえぎります。けっこう倒木が多いな~。

しだいに辺りが苔むした地になります。北八ツのようです。



中無間山

登りを越えると目の前に大きなガレが現れ、展望が開けます。 はじめてみる景色にどの山が何なのかまるで見当がつきません。 調べておけばよかったな~。ガレのヘリをちょっとあるいて、また樹林帯へ入ります。 途中に中無間山の標識がありました。それがなければ気がつかないところです。 ここで休憩をしました。

光岳方面の展望

しだいに残雪が多くなってきました。でも行く手を阻むほどではありません。 稜線が二重になり左から右に移ります。二重稜線の間のくぼ地には雪が多く残ってました。 途中に深南部や光岳方面の展望がよい場所があります。いつも遠くから眺めている山々が 近くに見えて感動しました。


残雪多し

ルートが大無間の北斜面になると一面が雪の林間となりました。 50cm~1mの積雪で、締まっているのでそれほど足を取られるということはありませんでしたが、 ちょっと油断するとズボッと埋まりました。スパッツを持ってなかったのでズボンと靴下が濡れてしまいました。

大無間山

ゆるい登りを越えるとそこが大無間山の山頂です。なんと午後4時30分です。 山頂は広くて飲料水用のポリタンクなどがありました。展望はありません。 速くテントに戻らなきゃとあせるあまり、デジカメを1等三角点に落としてしまいました。 アルミのレンズ枠が凹んでしまいました...。悲しい(T-T) 小無間山のテントに戻ったのは午後6時30分でした。 日が長くなったおかげで明るいうちにテントに入れました。 日が沈むとどんどん寒くなりました。アルファ米をお湯で戻して、 乾燥スープとコンビーフで夕食をとりました。もっと工夫すればよかったな。 今日は誰にも会いませんでした。山頂でひとりテント泊するのは寂しいな、と思う暇もなく 眠ってしまいました。寝つきがよすぎ。夜は風もなく穏やかだったと思います。 なにしろぐっすり眠りましたので。


富士山

次の日は4時に起床し5時に出発しました。 朝飯ぬきで下山です。残った食料は非常食のみ。 小無間山をおり、P2手前のガレの脇を過ぎたコルから朝焼けの富士山を見ました。 富士山の上から雲が迫っています。

P4のイワカガミ

小無間小屋の周りのイワカガミをちょっと観察。かわいいね!


里はもうすぐ

途中登ってきた5人のパーティに会い、情報を交換しました。 やっぱり人と会うとうれしいです。

お茶摘み

田代に着くと村の人たちはお茶摘みをしていました。静岡だなぁ。 無事に下りてよかった。 今回は思いのほか花がきれいで、自然のままの山というのか山深さを味わえました。

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